霊界物語1618章~174章 

如意宝珠&海洋万里編(生き別れた肉親との再会(2)平助一家)

丹波村に住む平助(へいすけ)夫婦は、息子夫婦が亡くなったため、孫娘のお節を、実の娘のように大切に育てていました。ある夜、旅の男2人を泊めたところ、実はバラモン軍の悪党で、家にあったお金と、大切な娘を略奪して逃げたのです。それから1年が経ちました。雪が降る夜、三五教の一行数人が宿を求めて平助の家に現れました。宣伝使・悦子姫(よしこひめ)を師匠とする弟子たちの一行です。真名井ケ岳へ向かう途中です。悦子姫は先に行ってしまい、弟子たちはたまたま見つけたこの家に一夜の宿を求めました。しかし平助は、またバラモン軍では?と疑い、宿泊を拒否します。そこへ悦子姫が、何とお節を連れて現れました。誘拐されたお節を連れ戻してくれたのです。平助夫婦は大喜び。一行を泊まらせるため、家の中に案内します。しかしその中に、お節を誘拐した、あの憎きバラモン軍の兵士鬼彦と鬼虎の2人がいたのです。2人は改心をして、今は三五教の悦子姫に弟子入りして旅をしていたのでした。鬼彦と鬼虎は、自分が犯した罪が恥ずかしくて名乗りを上げませんでしたが、2人に気が付いた平助は激怒して、2人を家から追い出します。1年ぶりに再会できたお節と水入らずの夜を過ごし、翌朝早く、真名井ケ岳の神様(豊国姫命(とよくにひめのみこと))にお礼詣(まい)りのため平助一家3人は家を出発しました。三五教の一行も一緒に出発します。(悦子姫はお節を連れ帰った後、また先に行ってしまい、いません)途中で、鬼彦と鬼虎とも合流します。すると山道で雪崩が起きて、お節が雪に埋(う)もれてしまいます。鬼彦と鬼虎は、罪滅ぼしをする機会がやってきたと勇み、必死で雪かきをしてお節を救い出そうとします。お節には、自分を誘拐したお前たちに助けられてたまるか、と拒絶されますが、どうやら雪から救い出すことができました。ところが。雪から掘り出されたお節は、何と四つ足の動物に変化して、どこかへ走って行きます。一同は驚きますが、急いで後をついて行きます。するとその化け物がたどり着いたところは、山奥の岩窟の前でした。鬼彦と鬼虎がお節を監禁していた岩窟(がんくつ)です。2人は岩窟の扉を開ける秘密のカギを開いて、中に入って行きました。すると奥の部屋に、本物のお節が監禁されたまま入っていました。2人はお節を外に出し、これでようやく本当に、平助夫婦とお節は再会できたのです。これは鬼彦と鬼虎自身にお節を助け出させるための神の仕組みだったと、後で種明かしがされています。ですがこのエピソードはこれで終わりません。まだ続きます。その後一行は真名井ケ岳をどんどん登って行きます。(この時点では、三五教のメンバーは5人しかいません。あと何人かいたのですが、どこかに消えてしまいました(笑))三五教の5人と、平助(へいすけ)一家3人は、共に旅をしていますが、しかし平助一家の、鬼彦・鬼虎に対する敵愾心(てきがいしん)はなくなりません。そりゃそうでしょう。いくら岩窟から助け出してくれたとはいえ、誘拐した罪が晴れるわけではありません。すると鬼彦・鬼虎の2人が崖から転落して落ちてしまいました。平助は下を覗(のぞ)いて、ざまあみろ、と言いますが、他の三五教3人は、鬼彦・鬼虎が一生懸命謝罪しているのに、まだそんなこと言うのか、と怒りだし、ケンカになります。そこへ鬼彦・鬼虎(おにとら)が崖から這い上がってきました。その後、不思議なことが起きます。空から天の羽衣がヒラヒラと落ちてきて、5人の身にまとわりつくと、5人は天女となって、空高く舞い上がり、真名井ケ岳を目指して飛んで行ってしまったのです。後に残された平助一家3人は茫然(ぼうぜん)と立ち尽くします。そして平助は──悪党は天に上るのに、どうして自分のような善人は雪山の中に残されたままなのだ──とぼやきます。妻のお楢(なら)は──若い時から欲が深くて金を貯め、まわりの人に無慈悲なことばかりしてきた。お節のためにお金を貯めていたとはいえ、お節ばかり可愛がり、他の子には辛(つら)く当たって来た、それはやはり身欲ということになるのじゃ、それで神様が善と悪の鑑(かがみ)を見せてくれたのじゃろ、これからはきれいさっぱりと心を入れ替えておくれ──と平助を諫(いさ)めます。そして3人は、神様に祈願するため道を進んで行くのでした。