荒野誘惑 (肉体の牢獄から魂を解放するためのイニシエーション)   

 洗礼者ヨハネから洗礼を受けた後、イエスは霊によって荒れ野に送り出され、そこに40日間留まり、悪魔(サタン)の誘惑を受けた。イエス聖霊に満ちてヨルダン川から帰り、荒野を四十日のあいだ御霊にひきまわされて、 悪魔(サタン)(肉体の牢獄である五感の影響からくる生存本能)の試みにあわれた。そのあいだ何も食べず、その日数がつきると、空腹になられた。そこで悪魔が言った、「もしあなたが神の子であるなら、この石に、パンになれと命じてごらんなさい」。イエスは答えて言われた、「『人はパンだけで生きるものではない』(本質が魂だと自覚するため餓死による恐怖心を克服する。)と書いてある」。それから、悪魔はイエスを高い所へ連れて行き、またたくまに世界のすべての国々を見せて言った、「これらの国々の権威と栄華とをみんな、あなたにあげましょう。それらはわたしに任せられていて、だれでも好きな人にあげてよいのですから。それで、もしあなたがわたしの前にひざまずくなら、これを全部あなたのものにしてあげましょう」。イエスは答えて言われた、「『主なるあなたの神を拝し、ただ神にのみ仕えよ』(自分の外には神は居ないので、偶像崇拝などの他者への依存や服従をしない。)と書いてある」。 それから悪魔はイエスエルサレムに連れて行き、宮の頂上に立たせて言った、「もしあなたが神の子であるなら、ここから下へ飛びおりてごらんなさい。『神はあなたのために、御使たちに命じてあなたを守らせるであろう』とあり、また、『あなたの足が石に打ちつけられないように、彼らはあなたを手でささえるであろう』とも書いてあります」。 イエスは答えて言われた、「『主なるあなたの神を試みてはならない』(見返りを当てにすることや、天罰などの恐れなどに従って行動してはいけない。)と言われている」。悪魔はあらゆる試みをしつくして、一時イエスを離れた。