イニシエーション エリザベス・ハイチ著 (P444)

唯物的な生き方をしていると、神性の力を奪われてしまう。物質世界の法則にすっかり従属し、神性を顕現することができない。神性は三次元世界の二大要素である時間と空間という支柱にはりつけにされ、物質の十字架の上で死を遂げる。だがしかし、この死はけっして終焉ではない。どん底まで墜ちた意識の中でも、聖なる創造的な<自己>はいつの日か復活し、同じ苦しみにあえぐ人々を救う。物にとりつかれ、無知ゆえに高次の<自己>という内在する神をはりつけにする者は、たえまない生き地獄のような苦しみを味わいつづける。この罪に手を染めたことで神とともに自分自身をも磔刑にしてしまうのだ。しかしこの痛みこそが彼の中に神が内在していたことに気づき、みずからの救済を経験する。地のはてまで散っていた神聖な種族たちは、こうした十字架やT字型のシンボルをたずさえ、その中に隠される真理を人々に伝えようとした。シンボルは石や金属、あるいは粘土に刻まれたものなど材質も大きさもさまざまで、いずれ世界各地に見いだされるだろう。ほとんどの人はそれらを磔刑になった人物の象徴だと信じるが、ほんの一握りの人だけが、じつはそれは時間と空間という二本の支柱にはりつけにされた、神なる創造原理の象徴であることに気づくだろう。